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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第115号       ’01−11−16★

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     高年就職「難」     

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●バイクでたまたま

 

飯田橋ハローワーク(この変なカタカナ語、何とかなりませんかね?)

の前を通りかかったら、入り口脇に貼られた標語?にいわく、「豊かな

経験を生かして 新しい職場」。   よく言うぜ。

 

「豊かな経験」を身に着けるには年数が、「生か」すには力が、要る、、、

から多分、若くない人。 リストラされた中高年求職者を想定した呼び

かけ、ですな、これは。  しかし現実、

 

「35歳までの求人はあるが、45歳以上のは無い」とTVルポ番組が

報じるように、職安で「新しい職場」が見付かる可能性はまず無いのだ

から<看板に偽りあり>。  取り外しませんか、ハローワークさん?

 

そのルポの主人公、「経験を生かしたい」で職を探し続けたが得られず、

ついに悟りを開く。 「生かせる職種は、無い。 考えてみりゃ、それ

が不況業種だからこそ整理が行なわれたわけで、、」   さよう、

 

人材ニーズの著しく低下した職種は多いが、年齢の高いことや経験豊富

なことが求められる職種は滅多に無い。 ダブル・パンチ、、

 

その人の<経験>が<その業種でこそ役に立つもの>であるほど、それ

が「生か」せる「新しい職場」は無い。 それだけのことですが、

 

 

放り出されただけでも大ショック、血眼で<自分を生かす場所>を探し

回る身になると、容易に悟れないのが普通。 早く気付けば、失業給付

が切れる前に、別方面へ転進していられたかも知れないのに、、 

 

<ワーク>が提供でき(ずに何が<ハロー>だ?)ない職安なのだから、

せめて、そんな空白や行き詰まりを生じないで済むよう、アドバイスは

適切に与えるべきだし、貼り紙は実現の可能性ある内容にすべきだろう。

 

しかし、「あなたの経験、もう役立ちませんよ」と聞かされて、求職者

が素直に受け容れるかどうか、これも大いに疑問ですな。 

 

*   *

 

私なら上の<標語>、「新しい職場で新しい経験を!」とでもしますな。

経験外の「新しい職場」に飛び込んで努力すれば、新しい経験が積める。

 

自分を生かす新しい道を模索しましょうよ、、 とは言っても、アタマ

を切り替える人は多くないでしょうな。

 

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●切り替えの妨げになるのは、

 

誰にもある<プライド>。 その裏付けは「豊かな経験」だが、「もう

役立ちませんよ」の類。 そんなの、持っていても得は無いのに。

 

棄てることが出来れば、プライドは引っ込む、切り替えもうまく行く、、

だろうけれど、普通は忘れられない。 ご本人は「豊か」で「役立つ」

つもりでも、相手がそうは評価しない、役立たせてもくれない、という

ことはよくあるのですがねえ。  求職者の身では

 

それに気付きにくいので、職安がアドバイスすべきだと私は思う。 が、

それも難しい。 その担当者は多分、失職も、<自分の経験が認められ

なかった>ことも経験してはいないだろうから。 また、今の混雑状況

では、物理的に不可能でしょうから。 

 

 

高年求職者だった時に私が利用した人材斡旋の大手R社では、企業経験

のある<求職カウンセラー>がかなり<心理的>に指導してくれました。

しかし、だから具合良く斡旋してもらえた、わけではなかった。

 

後で知ったのですが、求人企業と折衝する<求人カウンセラー>は別で、

これら2種のカウンセラー・チームが会議で情報を交わし合って、じゃ、

この人をこの企業へ、など決めて紹介する、という仕組みでした。

 

ところが、練達なカウンセラーといえども人間、人間はクセのカタマリ。

所定の方式で集めた情報ではあっても、担当者のクセに従って変形して

いるかも知れないし、会議での伝え方、受け取り方にもそれぞれのクセ

が出るだろう。 求職者、求人企業、どちらの情報も、必ず的確に伝え

られたとは容易に信じられない。 しかも

 

求人企業は人間の集団、求職者も人間。 時々刻々特性が変化するので、

交わされた情報がいつまで<正しい>か、保証はありません。 たとえ

幸い、両者の資料<情報>が適合し、交渉が成立しても、

 

いざ雇用関係に入ると、どちらかに「こんなはずじゃ、、?」が生じる

ことはある。 もちろん直接両者が、あるいは仲人であるR社もまじえ、

話し合って調整し直すことも出来るが、、 だいたいはダメですね。

 

*   *

 

やや遠くからはエクボに見えていたアバタが、近々寄って見ればやはり

こりゃアバタだ! と分かるのですから。 一旦キライになったものが

スキに戻ることは、人情として滅多に無い。 アウト!

 

このアタリマエな原理がワカルのに私は3年もかかり、その間、不本意

ながら<職を転々>することになってしまった。

 

ガマンが足りないのではないか、お山の大将だったから、、 と女房に

すら疑われました。 いや、ガマンが足りないのは相手の方なんだよ、、

あら、そうなの、、  信用されてはいなかった、と思います。

 

相手のパターンは様々でしたが、共通点はこちらの話を聞き取る辛抱が

無いこと。 私が口を開いただけで機嫌が悪くなる。 じゃ、と黙って

いれば、知恵も出さない奴、と来る。 なら、と申し出てそれが当たる

と、私に肩入れする社員も現われる。 こんどはそれが気に入らない。

 

「社内の和」の定義も各社各様でしょうが、とにかくそれを「乱した」

から、、 が解雇理由として通用するんですな、この国は。

 

*   *   *

 

サーモスタット屋卒業後EM法講師になるまでのやむなき転々数年間に、

その文言でクビにされること2回。 乱れるほどの<和>が、それ以前

あったとは思えませんでしたが、ね。

 

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●1度目は、その会社の

 

新開発商品モニターで、提出したレポートがもとでした。 キワモノ的

アイデアを好むトップで、石橋型の私はやや異端。 面白くない奴、と

睨まれていたらしく、それをキッカケに丁度1年でチョン。

 

商品に対する指摘が会社への批判と見られる。 感情移入型のトップが

よく犯す過ちです。 まあ、仕方ない。 雇う、切る、は会社の自由。

 

結局その商品は失敗に終わり、ほーら、ご覧。 要するに、私のような

率直さを望まないトップに、細密的確な報告でサービスしたのが間違い。

 

言え、と命じられて応じたのだし、ダメ探しは得意。 出過ぎたことを

したわけではないし、良いところを突いたのだが、全然喜ばれなかった。

 

そういう職場で長らえるには、技術や商品開発とは無縁の<社内的政治

力学>知識が必要です。 が、そう見取っても私はエンジニア、そんな

ところで長らえたくも実はなかった。 潔く退場するのみ、でした。

 

*   *

 

2度目はほとんどマンガ。 ガメツイ社長にボンクラ息子工場長の面倒

を見てくれと頼まれ、倉庫番に身をやつして生産現場を脇から観察する

ことにしました。 昼間は埃まみれで働きつつ情報を収集し、

 

帰宅後深夜までかかってメモを作成。 大学ノート1冊まとまるたびに、

別室で息子氏にご進講。 内容は要改善点、改善理由、改善方法(機材、

予算、手順、教育etc.)など、すこぶる具体的、実際的なものでした。

 

3ヶ月ほどでノートは10冊に達し、1冊当たり数件、計数十件の提案、

、、で、ある日、社長室に呼び込まれました。 そして何と、「お前は

会議の席上、オレをバカだと言った。 許せん。 クビだ」。

 

開いた口が、、 でしたね。 多少とも常識を超えた私ですから、何か

ひと様の気を悪くさせたかも知れない。 が、社長を掴まえて、ことも

あろうに社員たちの前でバカ呼ばわりするほど超えてはいない。

 

この私が? 本当に? バカ、と? と重ねて念を押したが、そうだ!

の自信溢れるお答え。 悪い夢を見ているような気分でした。 しかし、

本当にそうならクビも当然。  じゃ、手続きは正しく取って下さい、

 

解雇理由の欄には、是非<本当>を書いて頂きたい、「バカと言った」

と。 それならお受けします、、 で、期待?したが結局、「社内の和

を、、」という平凡なウソで埋めてあった。 私が、何を乱したんだ?

 

あとで聞いた話。 社内で何故か私の人気が高まり、体制転覆の陰謀!

と恐れた子飼いのベテラン社員がご注進に及んだ、ということでした。

それにしても「バカと言った!」は奇想天外。

 

散々考え、こう納得しました。 作業工程や管理状況を様変わりさせる

ようなスゴイ提案をそうドカドカ突き付けられては、「今まで何してた

んだ? アタマ使わなかったのか?」と言われているも同然、、 そう

感じたのかも知れない。  あいつ、バカだと思ってやがるんだ、とか。

 

*   *   *

 

人生を一度終えた後でしたから笑ってやり過ごしましたが、嬉しい気分

でなかったことも事実。 まこと、人生は屈辱感との戦いであります。

 

採用されるまでも、採用されてからも、クビを申し渡される時も、それ

をあとで思い出しても、、 チキショーッ!

 

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●能力を最大限に発揮せよ、

 

とか創意工夫を、と叫ぶトップは少なくないが、本気にしてはいけない。

 

「出ろ」と<釘>に言うのは、本当に出るとは思ってないから。 それ

が、え?出た?  じゃ、打っちまえ。  ほら、平らになった、 で、

<和>が保てる、と思うらしいが、、 古いなあ。

 

 

この国の就職事情では、小から出て大へ移る例は稀。 そして小の方が

大より整備が良いことはさらに稀です。 行く先々、条件は次第に悪く

なる、と覚悟しなくてはならない。 特に評価の仕方が、、

 

成果主義の流行にはノルが、適切なシステムなど無く、恣意的、感情的、

刹那的評価のみ。 いわばトップの好き嫌い。 嫌われながら外されず

に済ませるには、トップのガマンを誘い出す何かを発揮することが必要。

 

<EM法>務めの間も、危機は私を何度も襲いました。 その第1波は

入社早々、即ち15年間嫌われっ放し。 何もイヤがらない万能社員を

イビって楽しみ、安くコキ使う、、 趣味と実益の両立、さすが教祖。

 

売り物は<Rational>、社内運営は irrational 、で<紺屋の白袴>。

こんなスバラシイ技法を売る会社だから、さぞ Rational な経営ぶり?

と受講者に念を押されるのが心苦しかった。 そこで一工夫。 技法は

 

「好評で売り切ってしまい、我々の使う分が無いのです」とか、「売り

物ですから、手を付けるなんて行儀の悪いことは致しません」と冗談に

紛らわせたものです。 

 

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渡る世間は鬼ばかり、特に高年者への風当たりが強い。 それはどこへ

行こうと同じこと。 しかも、今に始まったことではない。 たとえば

 

敗戦時、復員軍人、引き揚げ者、焼け出された人、軍需産業に従事して

いた人、、 新しい生き方が容易に決まらず、みんな大変苦労しました。

 

しかしそれぞれ、何とか道を切り開き、生き延びました。 今<第二の

敗戦>で、企業戦士たちが同じ目に遭っているわけですが、一苦労した

その先には<戦争>無縁の人生が見付かる、、 と信じましょう。 

 

何であれ、授かった運を掴んで大切にすれば、必ず次につながりますよ。

 

                          ■竹島元一■

       <私の写真集から>: ★オキザリス★

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